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育休を取るにあたって調べたときの日記です。まだまだいろんな障壁(?)の多い男性の育休ですが、世間には少しずつ追い風が吹いているように思います。この日記を読んで「育休取ってみようかなぁ〜」ともし少しでも思って頂ければ存外の喜びです。m(_ _)m




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2010年05月05日

【本を紹介!】

【書籍】「迷走する両立支援」を読んで。両立支援って女性だけのものなの?!

「迷走する両立支援〜いま、子どもをもって働くということ」という本を読みました。

迷走する両立支援―いま、子どもをもって働くということ

迷走する両立支援―いま、子どもをもって働くということ

  • 作者: 萩原 久美子
  • 出版社/メーカー: 太郎次郎社エディタス
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 単行本



100人超の働く親への取材を通じて切り出される日常の具体事例。実際に働く親が何に悩んでいて何に困っているのか。一方で、アメリカが模索する両立支援の日本との違い。それぞれの背景やメリットとデメリット。「両立支援」という言葉だけでは解決できない歪みとジレンマを描いています。発行は2006年ですが、今もほぼ同じ状況が多くの職場で続いていると思われ、読んでて全然笑えません。ちょっと心が弱っているときなんかは読むのを控えた方が良いです。毒の上澄み液みたいな出口のない事例集に飲み込まれます。。(実際、自分は1ヶ月近く掛けてこの本に向き合うはめになりました。。それだけに今回の日記にぶつけた反動は我ながら恐い。。笑)

読み終えた後の第一印象は「重い……」です。心の中に残ったものは、憤り、悲しみ、迷い、苛立ち、、何なの?この本?!じゃー、どーすりゃ良いの?!と。

本の雰囲気は自分が勝手に想像していたものとは全く違いました。自分の想像していた内容は「いろいろ大変だけど、こんな工夫してうまくやっていますよ。こうやれば良いですよ。」みたいな日常のヒントが載っているもの。この本にはそんなもの一切ありません。
(でも、だからこそ大事なことを1つだけ教わったような気がします。本にヒントや答えだけを求める生き方は改めねば、少なくともより良い働き方を目指す上では、誰かが与えてくれる回答集なんてないのだ、と感じました。)

前置きが長くなりましたが、
この日記で言いたいことは1つだけです。


◯両立支援は女性だけのものなのか??


本当は他にも本に書かれている両立支援の制度と実態の歪みや、具体事例から見えてくる長時間労働の弊害など、紹介したい内容や突っ込みたいところが盛り沢山なのですが、いろんな方の日記や感想に分かりやすく詳しく書いてありますので、そちらをぜひお読み下さい(末尾参照)。この1点以外には、あれ以上のものは僕にはとても書けないので譲ります(笑)






◯両立支援は女性だけのものなのか??

読み終えたときのもうひとつの感想。

「この本、男性って出てきたっけ??」

いや、たしかに男性の育休についての言及もあるし、"夫"の具体事例も出てきています。
でも、悩みもがいている男性が描かれているか?と言うと、これが出てきてないんです。。
働く親を対象として書かれていると(勝手に)思って読み進めたこの本には100人を超す働く母親の取材はあれど、働く父親への取材を通じた具体事例が全く出てこないのです。働く母親が大変な境遇に置かれていて悩んでいるのはよく分かっています。
だけど、両立支援とは女性だけにスポットを当てて論じることができる問題なのか?という違和感。本全体の一人称は「働く母親」なんです。

特にショックだったのはこのくだり。。
第7章「子どもをもち、働くということ」より
〜男性の育児休業取得への期待と女性の憂鬱〜
(男性の育休に対する企業の手厚い取り組みに対して)男性はキャリアや所得、業務上のダメージをさほどうけずに、短期間の取得で「子育て熱心なお父さん」として賞賛を浴び、女性は「子育てに協力的で、理解のある夫」をもつ妻といわれながら、残りの取得期間をひきうけ、キャリアや所得、業務上のダメージをかぶることになる。

男性の育休が少しでも奥さんをはじめ働く女性への理解を深めることになり、助けることになれば、と自分は考えていました。でも、このような考え方があること、男女の育休の処遇が完全に一緒ではない現実(期間の長い短いというよりは復帰後の処遇の違い)があることを知ってショックだったのです。そして、これが女性の眼からのみ描かれていること。。(男性の育休経験者から見て思うことがなくはないですよ…この表現には。)


両立支援で進めるべきは「男性は仕事、女性は家事育児」という固定的な価値観からの脱却だと思っています。

これが「男性も女性も、仕事も家事育児も」に変わっていくはずなのに、「女性が仕事も家事育児も」のみを取り上げ、「男性が仕事も家事育児も」が取り上げられないことへの違和感と言ったら良いでしょうか。すっかり片手落ちに思えるんです。
背景として、仕方ないとは言えませんが、1980年代の男女雇用機会均等法を大きな転換点として、女性は多様な働き方を求めてきました。当時のキャリアウーマンなんて言葉もその現れでしょう。20年以上も前から女性は「仕事も家事育児も」を模索して来ているのです。それに比べて男性の方はと言うと、ここ1年くらいにやっとイクメンという言葉が出てきた程度。。多様な生き方のスタートに大きな差があります。
そんな男女のスタートの違いの中、この10年〜20年間に進んできたことは、世の中の「仕事」「家事育児」の総量(時間と置き換えても良いです)が変わらないとすると、女性だけが「仕事も家事育児も」を進めてきた結果、明らかに女性だけに分担が多くのしかかっているということです。女性が「仕事」を多く取って行く過程で、男性が「家事育児」を同じだけ多く取って行かないと、総量のバランスは取れないはずです。この男女間のバランスが崩れていると強く感じます。

両立支援って「女性が仕事も家事育児もたくさんできるようになって、男性が仕事も家事育児も減らすこと」を進めることではないでしょう?と思うのです。


そこで言いたいのは、

女性はもう十分がんばってる!もういいから!
何もかも一人でやろうとしなくて良いから!
男性にも家事育児の楽しさを教えてください!(涙目)



女性だけが戦いを強いられてることへの憤り、男性が蚊帳の外に追い出されていることの悲しさ。
同じ家族でしょ。悩むなら一緒に悩もうよ。と思います。

これは愛とか優しさだけで言ってるのではなく、先の「男性も女性も、仕事も家事育児も」を考えたときに、男性の中にも、仕事だけの人生なんて嫌だ、という人が相当数いると思うのです。少なくとも自分が育休を取ることを周りの男性に知らせたときの反応に、「いいなー、おれも取りたい」という人が多いのです。特に20〜30代に、です。

女性が一人残らず全員「家事育児していられれば幸せ」と思っている訳ではないように、
男性だって一人残らず全員「死ぬ気で働いて出世を目指したい」訳ではないんです。思いとは裏腹に仕事ばかりの人生になってしまい悩んでいる男性だっているのです。

仕事以外に家族の時間を多く過ごしたい男性、家庭以外に仕事を通じて社会とつながっていたい女性、という利害関係が一致する状態なのになぜ進めないのでしょうか?



相当数の男性は心の中では感じているのではないでしょうか。

「おれだって出世なんかより家族の時間を持ちたいよ。」

「出世するかどうかも保障なんかないのに毎日毎日終電帰りなんてたくさんだよ。」

「子どもの寝顔しか見てないや。残業代も出ないのに何してるんだろう。。」


職場のみんなが遅くまで働いているから帰れない。周りが育休を取らないから取れない。子どもの話をするような雰囲気ではない。自分だけ違うことはできない。。
こんな「周り」に合わせる他なく、前に進めなくなってしまっているのではないでしょうか。

確かに今はそういう状況かもしれませんが、これを変えていくのは「周り」がちょっとずつ変わっていくことだと思います。具体事例を知ったり、自分の身の回りに男性の育休取得者が表れたりすることで、「周り」が少しずつ変わっていきます。そうして「周り」が変われば、あなたの合わせている「周り」はもう子どもの話ができないような雰囲気ではないはずです。
そしてもうひとつ、自分自身がその「周り」を形作っていることは忘れてはいけないと思います。自分が「周り」を変えていける一人なんです。

男性も、自分の大切にしたいものを自分に正直になって考えて、出てきた正直な気持ちを声や行動に表していくことが本当の両立の始まりではないでしょうか。

両立の問題を女性だけの問題にしてはいけない、性別関係なく同じ親としての問題として取り組むべきだ、というのが自分の考えです。


最後に。
自分が思うに、この本の全体に重い空気が漂っている原因は、一粒の希望も描かれてないからだと思います。両立支援全体を見たときに起承転結があるとすると、この本には「起」しかないんです。それも強烈な「起」なんです。

ここ数年でワークライフバランスという言葉が多くの人に知られるようになりましたが、そんな働きやすい環境を目指そう!という風潮もおかまいなしに、両立支援のスタート地点に痛い程の問題提起をもって立ち返らせる強力なインパクトがこの本にはあります。正しい「起」を提示するかのような力です。
そして、この本を読んだ人が「子どもをもって働くということ」について悩んで、考えて、議論する。そうして「承」を作っていってこそ、誰かが設定した幸せな両立生活像ではなく、自分たちが本当に求める幸せな生活が見えてくるのではないでしょうか。
「結」を各々が考えて、「転」を各々が起こしていく。そして、
この本が十年後、「昔はたいへんだったんだね」とふりかえられるような時代がくることを心から願う
ことを止みません。
と最後は本のあとがきから引用して今日の日記を終わります。


(2010.5.6追記)
育休後コンサルタント.comさん(先日の関連日記)が著者の萩原久美子さんとコンタクトできたとのこと。
育休後コンサルタント.comさんの行動力があってこそ!はもちろんのこと、ブログやTwitterを通じて、著者と読者がフラットなコミュニケーションできるって素晴らしい!


■関連サイト

kobeniの日記:ある日、あなたが、長時間労働できなくなったら。〜「迷走する両立支援」を読みました〜
http://d.hatena.ne.jp/kobeni_08/20100423/1272031425

Pack Nさんの日記:【読みました】迷走する両立支援
http://asakoto.jugem.jp/?eid=722

ニートの海外就職日記:育児と仕事の両立に見る、時間的制約がある人=戦力外な社会。
http://kusoshigoto.blog121.fc2.com/blog-entry-352.html

Twitter上でのつぶやき集。「迷走する両立支援」萩原久美子著−働く母が抱えるもやもやの核心に迫る問題作を読んでみた
http://togetter.com/li/11195

育休後コンサルタント.comブログ:萩原久美子さんから電話をいただくまで(2010.5.6追記)
http://1995consultant.com/20100506/

迷走する両立支援―いま、子どもをもって働くということ

迷走する両立支援―いま、子どもをもって働くということ

  • 作者: 萩原 久美子
  • 出版社/メーカー: 太郎次郎社エディタス
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 単行本




posted by いちのせき | Comment(1) | TrackBack(0) | 本を紹介! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする





この記事へのコメント

私が最近地域で感じる事ですが、育児休暇まで取得してほしいと思っている女性は実は少ないのではないかという事です。専業の方に多いですが、WM家庭も結構な割合でいらっしゃいます。

子育てに協力して欲しいけれど、仕事を中断してまでは必要ない。

実際私が社内でヒアリングを行った時も、パートナーの反対にあって取得できない人が半分以上でした。

今はこの問題について色々考えています。
Posted by lovehona at 2010年10月09日 03:33

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